旦那の母が家に来た、しかも旦那の不在中。前編 BALI

ジャワ島にて服やら靴の買い付けを終えた義理ママ&義理ママの友が帰り際にバリ島にやって来た。
若くして旦那に先立たれた義理ママは、こうして年に数回ジャワ島へ行って服や靴を買い付けし、それをスンバ島で売って生計をたてている…というより、孫や親戚まで養っている、かなりのツワモノ51歳だ。
因みに髪の毛はアフロではない。
ちょうど1週間前にもバリ島の我が家で一泊したのだけれど、帰り際のトランジットの前日に旦那とコムスメンがスンバへ帰ってしまったので、ちょうど入れ違いになってしまった。
実の娘も息子もいるのだけれど、どちらも小さなアパートに住んでいるので、滞在はまたしても私の家が抜擢されたのだけれど、私は普段ほぼしない掃除に半日を費やした。
そして旦那の母達を空港へお迎えに行く所から、今回の事件が始まる。
いや何事が起こった訳でも無いのだけれど”旦那の不在中に旦那の母が来る”という事は私の中では既に大きな事件なのだ。
まず、夜7時にバリへと到着する事が知らされたのは、義理妹からだった。
ブログにも度々登場している義理妹なのだけれど、外国人との交流が多いためか私達の感覚を割と心得ている。
だから構えてはいたけれど、義理ママ本人から「何してんのー迎え来れるー??」(もちろん関西弁ではない)と連絡が入ったのは何と飛行機が飛ぶ寸前だった。
ちょうどここ2日間ほどは海へ繰り出していた為、水着やら何やらが淡々と干してあったのだが、私としては旦那が不在の間にバリで悠々とサーフィンをしている事をあまり悟られたくはなかった。
しかし、最近まるで雨季のように雨続きだったバリ島では洗濯物は簡単には乾かず、だから私はそれを駐車場にあたかもここが置き場であるかのように綺麗に吊り下げておいた。
”僕達は干されているのでは無くて、いつもここに吊られているのだよー”という無言の主張をまだ乾ききらないサーフィングッズ達に与えておいた。
そして約束通り夜7時に空港に行き、フライトインフォメーションを見ると、到着は夜の7時ではなくて7時半だという事が分かった。
しかしスンバ時間は大体1時間刻みなので、これは致し方のない事だと思って諦めた。
そしてこの待ち時間をコーヒーを片手に外国人をジロジロ見ながら空港で時間をつぶすことにした。
ところで国内線の到着口にいる外国人というのは一風変わっていそうな人が多いけれど、中でもサーファー達は一人当たり棺おけ一つ分くらいのサーフボードを引きずり回して歩いている。
そして必ずと言って良いほど誰かがBURGER KINGを指差し、それにつられて仲間達が入っていく。
きっと、晩ご飯に米と野菜しか出て来ないような怪しい島に行って、ようやくバリの近代化された空気を吸い、この原色の看板に引きずり込まれ、無言でハンバーガーにむしゃぶりついて…本当は感動して涙が出そうなのに、仲間がいるからと格好つけて旅での波の話を続けている、私の妄想によるとそんな感じだろうと思います。
因みに旦那もスンバから帰って来ると見事に同じ行動をとります。私はバビグリン派ですが…。
結局空港で義理ママ&友に会えたのは夜の8時過ぎの事だった。
買い付けの服はもう送ってあるはずなのだけれど、それでも1人につきスーツケース2つ分の荷物があった。
それを車に積み込もうとした所「いやいやいや、重いから大丈夫よー自分でするから、もうっ!!」と私が荷物を持とうとすると断固拒否する義理ママと友。
「いやいやいや、もっと別のところで気を使って下さい、今8時ですよー。もうっ!!」なんてもちろん言えない。
だいたいいつもは海で無駄に水をかきまくっているので、スーツケース位片手で持てるのだけれど、
スンバでは栄養不足のせいかしょっちゅう病気をしていた私は、未だにひ弱に思われているのでそっとしておこう。
そして義理の妹、弟、従兄弟を道連れにし、食事に行ってテーブルいっぱいの料理を頼んだものの、義理ママたちは目新しいものに手をつけずに、米と野菜を中心に食べている。食わず嫌いというやつだろうか…。
弟達はよほど飢えたのか皿2枚ずつのごはんとテーブルに並んだ皿を次から次へとを平らげていった。
その後掃除されピカピカになった(?!)我が家に着くなり、前回の忘れ物”携帯(ガラケー)の充電器”を渡した。
「そうそう、ジャワで充電器が無くて困ったのよねっ」と義理ママが一言。
「ジャカルタ人は皆スマホ使ってて、こーゆーNOKIAの昔の携帯はもう誰も使ってないのよ。でももう大丈夫。」
と言って母が出して来たのはピカピカのSUMSUNGのスマホだった。
そうか、だから数日前に義理ママからFBに申請があったのかと納得した。
携帯をスライドさせながら、内臓のカメラで写真はどうやって撮れば良いのかのと私に聞いてくるのだけれど、使った事もないアンドロイド製品でさっぱり使い方がわからない。
デジタル系のオタクさんか、もしくは目の前で一日中スマホをいじり倒しているこのあなたの息子「義理弟に聞いたほうがよほど詳しいと思うよ」と言って返しておいた。
一方の旦那はスンバ島にiPhoneの充電器を持って行くのを忘れ、町にある店を片っ端に探し回ったのだそうだが、
私が考えても、いや考えなくても分かる、それは無いだろう!!
「充電できないけど、どうしよう??」との問いかけられたが、私に聞かれてもどうしようもない。
一番安いRP.200.000(2000円)位の携帯でも買えば?と提案したのだけれど、「そんなお金持って無い…」と即答され、ガックリとした。(←実話です)
義理ママに、ちょっと甘えて買ってもらえば良いんじゃないのだろうか?
無駄にプライドが高い旦那…私にもそのプライドのかけら1ミリでも持って接してくれ…と心から願ってしまう。
その後散々大声で喋り倒した挙げ句、「もう疲れすぎたから寝るわっ」ととことんマイペースな義理ママと友は、右手で出した洗顔フォームを左手で受け、何とそのままチューブのペーストを顔の上にのせて泡立てていた。
「その洗顔方法間違ってる〜!!」と言う元気も私にはもう無かった。
続く歯ブラシに関しては30秒で終了。
それなのに肌も歯も強いスンバ人を少し羨ましく思う。
そしてようやく寝られるわ〜っと思った所に、拍子ぬけなトッケ(トカゲ)の泣き声が聞こえた。
けれどこもった様な、隣の部屋からの泣き声のような、少し違和感のある声だったのだが、
その音源は何と義理ママの新型スマホから流れたメールの着信音だったのだ。
「トッケィーー♪♪」って…新型スマホの着メロがトッケイだなんて…滑稽過ぎで笑えた。
田舎に帰ったら本物か着信なのか絶対に分からないだろうし。
そんなこんなで、相変わらずアメイジングなこの方達と2日間を過ごすというこの難関を私は乗り越えられるのだろうか。
後半戦へと続きます。
 

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