また…旦那のマラリア奮闘記+ノーベル賞を受賞したマラリア漢方薬。

お久しぶりです、またバリ島でシングルマザー状態な生活を送っていました。
コムスメンの学校なんですが、ニュピ休暇があけたと思ったら今度はイースター休暇とやらで一週間のお休みで…、
そのうち世界の国々の休暇を全て取り入れて毎日休日になるのではないかと恐れています。
ところで年間を通して旦那とは約70%位が別居なんですが、時々気が向いた時にバリ島に帰って来ます。
おそらくハンバーガーが食べたいのが第一の理由だと思います。
そんな気まぐれな旦那、日本から帰って来た時は健康体で帰って来るのですが、スンバからの場合は大体何かしらの病原菌をお土産にして帰って来ます。
咳をしながら帰って来ては、その菌が私やコムスメンに感染し、結局代わる代わるに3人とも寝込む…というパターンがほぼ毎回なのでいつも通り警戒はしていたのですが、今回はバリに戻った後に体調が悪いと言いながらもガイドをしたりしていました。
帰ってきてからの数日間、家にいる間は95%寝ているし、ほとんど顔を合わすこともなく過ごしていたある日の深夜、リビングの床で旦那がうめきながらコロコロ床の上で転がっていました…。
これはただ事ではないなと思いましたが、私もとても眠たかった為、トイレを済ませて転がった旦那を少し心配しつつもまたベッドに戻って寝てしまいました。
その次の日の朝、いつもの様にコムスメンを学校に送り、帰ったら病院に連れて行ってあげると言っていたのにも関わらず、何故か旦那は私が出かけた直後にオジサンを家に呼び、病院に連れて行って貰っていました。
しかも仕事用の水を運ぶトラックで…、トラックなので大きな病院にしか行けなかった様で、ヌサドゥアのスルヤ○○ダ病院に行き、検査をしているとオジサンから連絡が入りました。
それにしても、たかが数十分の送り迎えを待つ事も出来ず、なぜわざわざトラックのオジサンを呼んだのでしょう…。
恐らく高熱のせいで思考回路がいつも以上に働かなかったのだと思いますが、さすがに深夜に床を転がり回っていた旦那を見た次の日に置き去りにしたりする程私はひどくは無い…。
その前日に既に高熱が始まっていた旦那を残してサーフィンに行ってしまった私の行動を少し反省しました。
きっと、淋しかったんだと思います、けれどそれならそうと助けを求めてくれないと、どれ位しんどいのか分かりませんし、その前々日にはクラブに行って朝まで帰ってこなかったので、疲れが出たんだと思っても仕方無いですよね…。
ひとまずオジサンがついていてくれるという事だったので、帰って二度寝をしてから病院へ行くと、デング熱だと診断されました…。
そしてその後の血液検査で何とマラリアにも感染していた事が発覚…、しかも5種類あるうちでも唯一死に至る危険があるという、悪性の熱帯熱マラリアだとか…。
しかし病院には今はマラリアの薬は無いと言われ、水分補給の点滴のみで後は放置されていました。
そして次の日も、「マラリアは早く投薬を開始しなければ危険な病気だ」という事を伝えたものの、「サンラ国立病院に薬が無いのでバリには無い」と告げられたのみ、仕方無しにスンバ島から薬を送って貰う事にしました。
(後で別の病院の医師に聞いた所、バリにマラリアの薬が無いなんてあり得ないよ、色んな島から人が来るからねぇ…と言われました。それもそうだ…○○ヤクザダ病院にはもう行かない!!)
ようやく薬が届いたときには最初の高熱からもう5日目が経過していて、高熱の波も5回程乗り越えていて…。
3回目の熱が出るときには重症化している場合が多いこの悪性マラリアで、寝返りも出来ない位に弱ってしまった旦那…。
ドクターも全くあてにならないし、ナースもチンプンカンプンで、妹は友人のドクターに電話したり私もインターネットで情報を集めていたところ、旦那がボソッと「おしっこが茶色いねん…」と言い出しました。
そこでまたググって見ると、それはマラリアの合併症である「黒水熱」とかいう大変な病を患っている場合かもしれないそうで、マラリアの末期患者の症状と一致していそうだった。
たまたま開いたそのサイトが、マラリアがテーマの映画の紹介のページだったのだが、その映画の中の患者はその後息を引き取ってしまうそうで、その「悲しみのリング」という涙ぐましい映画のタイトルは、黒水熱の患者の血液を顕微鏡で見ると、マラリアの原虫が血中にうじゃうじゃと増殖していて、それがリングの形をしているという事から付けられたそうだ…。
あぁ、この人ももしかするともうすぐ死んでしまうのだろうか…と思うと覚悟はしていたものの色々な思い出が蘇り、病室で泣けてきた。
そんな私を見てスンバ人のおじさんは笑いながら、「インターネットなんて当てにならないよ、僕もマラリアの時はいつもこんな感じ…まだ大丈夫」と、人数分買ってきたバビグリンを食べながら笑っていたので心救われた。
その直後に呑気な弟が予定より2時間遅れで(途中で昼ごはんを食べていたそうだが…)”最新のマラリア薬”を持って来て、2回目の薬を飲んだ後には別人になったかの様な回復ぶりを見せた。
じゃなくて、、
こっち。
そして次の日に見た領収書にビックリ!!(病室代よりも薬代と診療費が高いのです…)何と自力で点滴を抜き、その瞬間に血が飛び散りナース達には唖然とされたそうだが、おじさんの運転するバイクで家まで無事に帰って来たのでした。
※デング熱、マラリア熱に感染していると血小板の値が一気に下がるので出血すると血が止まらなくなるので気をつけましょう。
ところでこの最新のマラリア治療薬=アルテミシニン誘導体は、10年ほど前から試用が始まったのだそうだが、何とアフリカではマラリアによる死者を半減させたそうです。
昨年ようやく中国人のおばあちゃんがこの薬の発見によって中国人初のノーベル医学生理学賞を受賞したのだそうだが、よく調べると”漢方薬”が主成分なのだそうで、その辺の道端に生えている雑草から成分を抽出しているらしい…。
物凄いニュースですね。
「漢方がん治療」を考える
その雑草は日本語名では”クソニンジン”という植物だそうで、マラリア薬でよく知られているキニーネという薬による耐性を持ったマラリア原虫にも効果を示しているんだとか、本当素晴らしいの一言につきます。
しかもどうやらその薬でがん細胞を消滅させたりする効果まであるとかで…まぁその辺の道端に生えている草でがんが治ってしまうとなると、医学界も黙ってはいないでしょうから認可される事は難しいかもしれませんが、日本でもその治療法をとりいれている医院もあるそうなのです。
スンバに住んでいた時、周りの人がマラリアを患ってバタバタと病院に運ばれていて私も恐れていたのですが、この薬の事を知り、少し不安が和らぎました。
知人で青年海外協力隊に関わる仕事をされていた方も、過去にマラリアに3回も感染したのだそうですが、薬飲んで寝ていればすぐに治るから「来たな」と思うと薬を飲んでただ家で寝ていたと言っていました…。
それよりも厄介なのはデング熱だそうです。
まだ治療法が見つかっていないそうで、そのためにシンガポールやオーストラリアに運ばれた駐在員の方も多かったそうです…。
私も過去に”マラリア”という診断を受けてパニック発作を起こしたことがあるのですが…(この話はまた次回に…)正しい知識と備えを持って行けばそんなに恐れる事は無い感染症だと思います。
私もこの度マラリアというキーワードで検索をかけまくっていたのですが、もし途上国やその他ジャングル地域へ行かれる方の参考になればなと思います。
 
過去の記事
彼が入院してしまいました…。(デング熱+マラリア)
スンバ島には家を持たずに洞窟の中で暮らす人々がいます…。
気になっていましたがまだ近づいたことはありません。
 

コメント

タイトルとURLをコピーしました