旦那の母が家に来た、しかも旦那の不在中。後編 BALI

バリ島生活

海に入ってもう30分も経っているのに、なぜ白人さん達からはまだ石鹸の香りがするのですか…?
それと、シャワーをしてまだ30分しか経っていないのに、何故旦那からは…

ところで前回の記事からずいぶん間が空きましたが、旦那の不在中に義理ママがバリに来た時の話の続きです。
因みに前回の記事はコチラ↓
旦那の母が家に来た、しかも旦那の不在中。前編 BALI

翌朝、というかまだ夜中の4時ごろに、義理ママの友は電話で大声で誰かと話をしている。
今日もこのペースでこのアメイジングなスンバの人達と過ごすんだと、私は心構えておく事にした。

朝から「パンだと食べた気にならないから」と言われることを想定し、ご飯は3合炊いておいた。
おかずは前に何度も滑った事があるので、パサールで好きなものを買って貰う予定だった。
なんでも私の定番、誰でも料亭の味が出せるという”博多のあごだし”で作った味噌スープからは、腐った魚の臭いがするらしく(←日本食を食べ慣れていない外国人あるあるです)
”こいくちに仕上げた鶏の甘辛炒め”にも味が無いのだそうだ。
そして生野菜サラダを出した時なんて、「野菜を生で食べるの?あなた正気?」と問われるし、フランス人がスンバ島の空港近くに出したお店”Gula Garam”は、バリでいうWarung Italie並みの味なのに、人間の食べるものでは無いというカテゴリーに放り込まれたのだ。
おかげであの日、スンバにいた私とコムスメンは丸一日お土産のピッツァを堪能した。

だからもう私は、世界に誇る日本食なんかでスンバ人を感動させようなんて妄想は、とっくの昔に諦めがついている。
そんな訳で、義理ママと友がパサールに行っている間、お皿を用意し、今日の朝ごはんは何だろうかと帰りを待っていた。

そして数十分後、パサールまでの一本道で道に迷った挙げ句に家に帰ってきた義理ママ達から今朝のおかずが手渡されたのだが…それは”クルップ”(せんべい)2袋のみだった。
ちゃくちゃくとご飯をもり、その上にせんべいを2カケラ並べ、「アヨマカン」の合図と共に、義理ママ、友、そして私達の朝食が始まった。
その瞬間、私は後でパンを買い食いしようと心に決めた。
そうだった、スンバでの食事はこの上なく質素なのだけれど、バリに来てもその感覚は健在なのだと思い知った。
日の丸弁当ならぬ…白旗ランチ!! @SUMBA to JAPAN

そして何かを思いついた様に、義理ママの友はお皿を持ったまま椅子から立った。
私は”やっぱり、おかずを買った事を忘れていたんだろう”と思い期待した。
ところが友は、アクアガロン(ミネラルウォーターの大ボトル)から水をプシュプシュと、そのクルップのせご飯の上にかけた。
何という事だろう…ご飯の上に水をかけるなんて…!

私は驚いて「何でご飯に水をかけるの??」と直球を投げた。
すると義理ママが横から口を挟んだ。
「アハハハそれはね、イブは”オランカンプン”(田舎者)だからよー」と言って笑っていた。
答えになっていないのだが…。

そんな朝ごはんを終えて、私達のジャランジャラン(散歩)はショッピングモールから始まり、GWK、パンダワビーチ…と、普段よくインドネシアの観光客を見かける場所が丸ごとチョイスされたのだが、実はこの日私には強力な助っ人が現れたのだ。
前日の夜にバリにやって来た、義理妹の彼氏である。
いつもニコニコしていて、食後は人の家の皿を洗い始めたりもする、まるで日本人のような気質のオーストラリア人の彼だ。
その彼の出現の何が強力なのかというと、全ての支払いがこの彼に回るという事、これが最も私の負担を軽くした。
食事代、どこかの入場料位ならまだ分かるのだけれど、ショッピングの支払いを何故私がしなければいけないのかと疑問に思っていたのだが、これがもてなすという事なのだろうと思って諦めてもいた。
今のバリ島の物価で丸一日遊び歩くと、それこそ結構なお金がかかるのだ…。
それを丸ごと面倒を見てくれる彼が加わり、またテーブルいっぱいに並んだ皿を囲みながら、最近の波の様子と、コムスメンの話と、今朝の”水かけご飯”の話でひそかに盛り上がった。

数年前に私がバリに住み始めた時には、外国人と英語で会話なんてと構えていたけれど、スンバで過ごした4ヶ月間では、白人を道路でみかけるとこの上なくホッとする様になった。
スンバを知る、スンバ人以外の人とは共感しあえる事が多々あり、そんな唯一感覚の近い人達ときまって「毎日何食べているの」という会話が私をホッとさせてくれた。
スンバ島の事やスンバ人の事、洗い物の仕方が分からない事など、全ての感覚が同じだった。

しかし唯一共感し難い点は、私が冷たい井戸水での水浴びをするのが苦手だという事…。
人の進化の過程で、彼らは”寒さや冷たさに強い体”を手に入れたらしく、乾季の冷たい海で裸サーフィンを何時間もこなしている…。
と、そんな色々を踏まえても気がついたことがある。

恐らく、欧米人との間に感じるカルチャーショックよりも、インドネシア人との間に感じるカルチャーショックの方が大きという事を、私は確信していた。もはや欧米化した日本に育ったせいかもしれないが、濃い味のハンバーガーにさらにケチャップを流し込んで食べている人達の方が、白ご飯に水をかけて食べている人よりは、なんとなく分かり合える気がする。

あなたはケチャップだらけのバーガー水かけご飯、どちらを選びますか?
私は寿司を選んだあなたに賛成します。
と…妄想が暴走して話はぶっ飛びましたが、
スマートな彼は、トイレに行った帰りに食事代のお勘定を済ませていて、
その後私の知らない間にガソリンも足していてくれた。
そんな事をニコニコと当たり前の様にしている彼、一方の愚痴がおさまらない私…
同じ外国人なのにあまりにも私には甲斐性が無い気がして、情けなくなった。

そしてジャランジャランはまだまだ続く。
「海なんて、スンバの方が数倍キレイだよ」とバリ在住の義理妹は助言していたのだが、こっちの海も見てみたいという事で、夕方のビーチに行ったのだが、海にたどり着く前の道に建てられた大きな石像に「凄いわー、立派だわー」と言って感動していた。
何がツボなのかよく分からなかったけれど、いつか義理ママを日本へ招待する機会があれば、どこかの大仏はマストチョイスだなと思った。

こうして無事に終えた”ジャランジャラン”の帰り際、小腹が空いたので、サテ(焼き鳥&ヤギ)でも食べようかという事になり屋台に寄った。
私たちがサテを待っている間にクールな彼がすぐさまビールの買い出しにコンビニへと戻ったのだが、どうやらビールを見つける事が出来なかったらしい。
(インドネシアでは5月から法律の改定により、観光地のバリ島の一部を除き、コンビニなどの小さな店でビールを売ることが出来ない様になっている。)

そしてそれまではとてもクールに見えた彼が、とても感情的に、
「俺はもしビールが無いと分かっていたら、晩御飯にサテ(焼き鳥)を選んでいない…、何でビールが無いんだ!!」と言い始めた。

いつもはクールな彼だけれど、実は彼は波の事で頭が一杯なサーファホリックだった事を思い出し、私もちょっとほっとした。
気持ちは分かるけれど、ここはインドネシアだから私達がルールに従うしか無いんだとなだめ、
小さな屋台でビールの妄想にふけり、静かにサテを食べつくした。

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