レストランで料理の”出待ち”をしていた時の事。
いつ見ても人口率の高いレストランなので、時間がかかるのは仕方が無い、
けれど”おあずけ”を食らった腹減りのコムスメンは空腹に気が気で無い様子で、
今にも横のテーブルの料理に手を出しそうな勢いだった…。
そしてそれを見張る私。
子連れでのレストランなんて、雰囲気が良ければ良い程リラックス出来ないものだという事を思い出す。
今日は旦那もいない事だし、海の近くの洒落たレストラン”CHOCOLATE CAFE”にでもこっそり行ってやろうと思ったのだけれど、
予想以上のロマンティックな雰囲気に子連れでの参戦を諦め、たまに来るにぎやかでまあまあこじゃれた方のレストランに来てみたのだが、この日は皆静かに食事している様子だった。
こんな事ならばいつもの(ワルン)食堂にしておけば良かったな、と思う。
けれど海の近くの洒落たレストランを選ばなくて本当良かったな、とも思う。
スンバ島で(おそらく)葉っぱと米しか食べてないであろう旦那の呪いが届いたのだろうか。
後で分かった事なのだが何かと食事へのこだわりが強い(というかクレームの多い)オージーのお客さんだった為、宿泊はリゾートを選んだそうで、ガイドの旦那もリゾートの美味しいフレンチをこっそりと堪能していたそうだ…
とにかく今この私に課せられた使命は、おいしいご飯を楽しむ事よりも、いかにしてコムスメンをおとなしく食事させ、周りに迷惑かける事無くこのレストランを後にするか、そこがポイントだった。
そしてそんなグズグズなコムスメンと私の所へ、隣の席で同じく料理の出待ちしていた老夫婦のおじいさんの方がやって来て「for your daughter」と一言だけ残し置いていった、、
紙の犬!! そのセンスが何とも良すぎる。
さすが、夫婦でワイン片手にタイ料理食べるだけあるなぁ〜。
「最近バリの物価も上がったなぁ」とか言いながらチビチビお茶飲んでる私らとは何かが違うわ…。
きっと家具のデザインでもしながらバリに住んでいるのだろう…と勝手な想像が膨らむ…。
なにはともあれ、紙一枚でコムスメンをご機嫌の世界に導いてくれた白ヒゲのおじいさん、ありがとう。
そんな老夫婦の出現により、”コムスメンをおとなしく食事させる”というミッションを見事クリアーする事が出来た。
ところで、ここインドネシアは子供達にはとても寛容で、というか人に甘く自分にも非常に甘い文化な故、ちょっと子供が騒いだ位では誰も気にしない。
なので割と気兼ねなく何処にでも子連れでいける事は有り難いと思う。
それなのに日本からのクセなのか、何かと気を遣ってしまう私の気の弱い事この上無い。
インドネシアに再移住してもうすぐ3年になるのだし、人の家に土足で上がりこむ我が子を全く気にもかけないインドネシア人母ちゃん位の図太さをそろそろ見習いたいものだと思う…本当。
部屋掃除したばっかりやねん!! 自分の家も土足ちゃうやろ?! 靴というかサンダル位3秒で脱げよ。
ほんで何で勝手に人の携帯さわってんの!!!
と、いつか声を大にして言ってやりたい、本当はね。
レストランからの帰り際、パーキングのスタッフが走ってくるバイクを止めて私を誘導してくれたのだけれど、その止められたバイクに乗っていたのは何と義理の妹だった。
「ヘーーイ、ご飯食べてたのぉ?? そこ美味しーのー、高かったーー??」と相変わらずのストレートな突っ込みぶり。
しまったな、特に旦那のいない時には家で自炊して節約してる生活をアピールしていたのに、しかも3日前に家に来た時にはテンペに白ご飯を用意しただけだったのに…こんな街外れのレストランの出口でまさか遭遇してしまうなんて、バリは相変わらず狭すぎる。
そもそも”クタから何で晩御飯にわざわざジャランウルワツまで来てんねん”と思いながらもそこそこに返事をしておきました…。
これは秘境の島出身の大家族に嫁いだ様な…同じ境遇の人としか共感しにくいネタかもしれませんが、
表向きは地味をアピールしておく方が、なんだかんだで上手く行くのです。
同じようなものを着て、同じような物を食べて、そして謙虚でいる事。
それかもしくは…”超図太く”生きるかの二択でしょうか、多分。
そんなこんなで半人前で気弱な私のミッションはまだまだ続くのです。
レストランでぐずる3歳児の所に、隣の席のオジサンがやって来て…!!BALI

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