旦那の母が家に来た、しかも旦那の不在中。後編 BALI

  • 2015.05.28 Thursday
  • 15:18
海に入ってもう30分も経っているのに、なぜ白人さん達からはまだ石鹸の香りがするのですか…?
それと、シャワーをしてまだ30分しか経っていないのに、何故旦那からは…

ところで前回の記事からずいぶん間が空きましたが、旦那の不在中に義理ママがバリに来た時の話の続きです。
因みに前回の記事はコチラ↓
旦那の母が家に来た、しかも旦那の不在中。前編 BALI

翌朝、というかまだ夜中の4時ごろに、義理ママの友は電話で大声で誰かと話をしている。
今日もこのペースでこのアメイジングなスンバの人達と過ごすんだと、私は心構えておく事にした。
朝から「パンだと食べた気にならないから」と言われることを想定し、ご飯は3合炊いておいた。
おかずは前に何度も滑った事があるので、パサールで好きなものを買って貰う予定だった。
なんでも私の定番、誰でも料亭の味が出せるという”博多のあごだし”で作った味噌スープからは、腐った魚の臭いがするらしく…
”こいくち鶏の甘辛炒め”にも味が無いのだそうだ。



そして生野菜サラダを出した時なんて、「野菜を生で食べるの?あなた正気?」と問われるし、フランス人がスンバの空港近くに出した、Warung Italie並みの味を誇る”ピッツァ”は、人間の食べるものでは無いというカテゴリーに放り込まれたのだ。
おかげで私とコムスメンは丸一日ピッツァを堪能した。

だからもう、私は日本が世界に誇る日本食なんかでスンバ人を感動させようなんて妄想は、とっくの昔に諦めがついている。
そんな訳で、義理ママと友がパサールに行っている間、皿を用意し、今日の朝ごはんは何だろうかと帰りを待っていた。
旦那はこういう時には大体”サテバビ”(豚の串刺し)か”魚づくしのチャンプル”を買ってくるのだけれど、これがまた美味い。



そして数十分後、一本道で迷った挙げ句に家に帰ってきた義理ママ達から、今朝のおかずが手渡されたのだが…それは”クルップ”(せんべい)2袋のみだった。
ちゃくちゃくとご飯をもり、その上にせんべいを2カケラ並べ、「アヨマカン」の合図と共に、義理ママ、友、そして私達の朝食が始まった。
その瞬間、私は後でパンを買い食いしようと心に決めた。
そうだった、スンバでの食事はこの上なく質素なのだけれど、バリに来てもその感覚は健在なのだと思い知った。

日の丸弁当ならぬ…白旗ランチ!! @SUMBA to JAPAN

そして何かを思いついた様に、義理ママの友はお皿を持ったまま椅子から立った。
私は”やっぱり、おかずを買った事をきっと忘れていたんだろう”と思い期待した。
ところが友は、アクアガロン(ミネラルウォーターの大ボトル)から水をプシュプシュっと、そのクルップのせご飯の上にかけた。
何という事だろう…ご飯の上に水をかけるなんて…。
私は「何でご飯に水をかけるの??」とダイレクトに聞いた。
すると義理ママが横から口を挟んだ。
「アハハハそれはね、イブは”オランカンプン”(田舎者)だからよ〜」と言って笑っていた。
そういう問題なんだろうか…。



そんな朝ごはんを終えて、私達のジャランジャラン(散歩)はショッピングモールから始まり、GWKパンダワビーチ…と、普段よくインドネシアの観光客を見かける場所が丸ごとチョイスされたのだが、実はこの日私には強力な助っ人が現れたのだ。
前日の夜にオーストラリアからやって来た、義理妹の彼氏である。
いつもニコニコ笑い、気を使い、食べ終えた後は人の家の皿を洗い始めたりする、まるで日本人のような気質の彼だ。
その彼の出現の何が強力なのかというと、全ての支払いがこの彼に回るという事、これが最も私の負担を軽くした。



食事代、どこかの入場料位ならまだ分かるのだけれど、ショッピングの支払いを何故私がしなければいけないのかと疑問に思っていたのだが、これがもてなすという事なのだろうと思って諦めてもいた。
今のバリ島の物価で丸一日遊び歩くと、それこそ結構なお金がかかるのだ…。
それを丸ごと面倒を見てくれる、先進国から来たクールな彼が加わり、またテーブルいっぱいに並んだ皿を囲みながら、最近の波の様子と、旦那とコムスメンの話と、今朝の”水かけご飯”の話でひそかに盛り上がった。

数年前に私がバリに住み始めた時には、背が高くて目の色が薄い外国人が目の前にいるだけで英語で挨拶なんて…と構えていたけれど、スンバで過ごした4ヶ月の事もあり、白人を道路でみかけるとこの上なくホッとする様になった。
唯一感覚の近い人達ときまって「毎日何食べているの」という事から話が始まる。
スンバ島の事、スンバ人の事、洗い物の仕方が分からない事など、全ての感覚が同じでホッとした。

しかし唯一共感出来ない点は、私は町の冷たい井戸水での水浴びをするのが苦手だという事…。
ホモサピエンスの進化の過程で、彼らは”寒さや冷たさに強い体”を手に入れ、乾季の冷たい海で裸サーフィンを何時間もこなしている…。
と、そんな色々を踏まえても最近よく思う事のだけれど、欧米人との間に感じるカルチャーショックよりも、インドネシア人との間に感じるカルチャーショックの方が大きいのでは無いかと私は思っている。



もはや欧米化した日本に育ったせいかもしれないが、水の代わりにコーラを飲んで、濃い味のハンバーガーにケチャップを流し込んで、終わった洗濯物を何処に戻したら良いのか分からない、というよりたたみ方すら分からない…、よくここまでやって来たよねと…そんな人達の方を見ている方がまだ笑えませんか?
それ程に金銭感覚の違いを埋めるという事はとても難しいと思います、ですがこれは決してアドバイスでは無いのですが。

ですがもし貴方がそんな冒険をするとすれば、ハンバーガー水かけご飯のどちらを選びますか…?
私は寿司を選んだあなたに共感出来ます。
もしくは東南アジアで物価の一番高い国…あの辺りならまだ大丈夫だと思います…。



と、妄想と愚痴が暴走して、話はぶっ飛びましたが…、
その先進国から来た彼は、トイレに行った帰りに食事代のお勘定を済ませていて、その後私の知らない間にガソリンを足していてくれた。
それがこれ見よがしな満タンではなく、数メモリ増えていた事にまた”ジーーーーン”と来てしまった。
そんな事をニコニコ笑顔で当たり前の様にしている彼、一方の愚痴がおさまらない私…
同じ外国人なのにあまりにも私には甲斐性が無い気がして、情けなくなった。

そしてジャランジャランはまだ続く。
「海なんて、スンバの方が数倍キレイだよ」と義理妹は言っていたのだが、こっちの海も見てみたいという事で、夕方のビーチに行ったのだが、海よりも海の前に建てられた石像に「凄いわー、立派だわー」と言って感動していた。
何がツボなのかよく分からないけれど、いつか義理ママを日本へ招待する機会があれば、奈良はマストチョイスだなと思った。



こうして無事に終えた”ジャランジャラン”の帰り際、小腹が空いたので、サテ(焼き鳥&ヤギ)でも食べようかという事になり屋台に寄った。
私たちがサテを待っている間にクールな彼がすぐさまビールの買い出しにコンビニへと戻ったのだが、どうやらビールを見つける事が出来なかったらしい。
(インドネシアでは5月から法律の改定により、コンビニなどの小さな店でビールを売ることが出来ない様になっているが、観光地のバリ島は一部免除されている。)

そしてそれまではとてもクールに見えた彼が、とても感情的になって、
「俺はもしビールが無いと分かっていたら、晩御飯にサテ(焼き鳥)を選んでいない…、何でビールが無いんだ!!」
と言い始めた。
ニコニコ笑い、愚痴をこぼさず支払いを全て済ませる彼だけれど、実は彼の頭の中は波とサーフィンライフの事で一杯な事を思い出し、私もちょっとほっとした。
「分かる、とてもよく分かるけれど、ここはインドネシアだから、私達がルールに従うしか無いんだよ…」となだめ、小さな屋台で視線攻撃を浴びながら、ビールの妄想にふけり、静かにサテを食べつくした。



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