2018.08.21 Tuesday

娘のハレ舞台の日に、急性アル中で倒れた旦那… BALI

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    残暑ならぬ…猛暑お見舞い申し上げます、ただ今日本に帰国してます。

    バリ島からのフライトの直前(ほんの数時間前)にアグン山が大噴火したり、帰国の直後には西日本では洪水災害、その後は猛暑にやられたりで、コムスメンも今までに見た事が無い位大粒の汗を流していますが、私達は何とか元気です。

    身近で災害を目の当たりにし、いつ南海トラフ大地震が起こってもおかしく無いと言われているので、ただ今実家の頭上を(ホンキで)断捨離中

    そんな最中にロンボク島で大地震が起こり、今なお地震が続いているので心配ですね…。

     

    ところで先月、コムスメンが3年間通い続けたバリ島の幼稚園を無事に卒園しました。

    インドネシアでは(私の知る限り)パリっとした入学式というものは無く、その分卒業式にはかなり気合いが入ります。

    子育て中心生活をしている私にとっても、一人娘の卒園式というのは一大イベントであったので、前々から服を準備したり、何かと気合いを入れていました。

    それなのに、直前に知らされた旦那からの一言「俺、明日からスンバ行くから…」と。

    その旦那の言う何気ない”明日”というのは、私とコムスメンの一大イベント”卒園式”の日でもあり、せっかくバリに3か月もいたのだし、娘の最後のハレ舞台に位”参加しとけよ”

     

    そもそも、日本で出稼ぎ中だった旦那がバリにいるのは、絶賛つわり中だった私に代わって、コムスメンのお世話をするというのが目的だったのに、最終日に不参加というのはかなりのマイナスポイントだと思うのだけれど…

    とまぁそんな事言い始めても仕方が無いので、当日に向けてコムスメンと一通りの衣裳合わせを済ませ、今夜も深夜にどこかで酔い潰れているであろう旦那の事は放っておいて、前日は早めに寝る事にした…。

     

    その数時間後…ガシャーーンと家の門の辺りでかなりデカイ音がし目が覚めた。

    慌てて外に出ると、泥だらけの旦那が血を流しながら帰って来た。

    時計を見ると深夜の1時…

    おじさんの家からバイクで帰る途中に山の中のがたがた道で転んだらしく、その衝撃でブレーキが壊れたので、最後は我が家の門に軽くぶつかって停車したのだそうだ。

    OLX(インドネシア版のメルカリ)に出していた旦那のバイクは既にボロボロになっていた。

    酒のにおいを撒き散らしながら説明された内容は理解出来たが、人としてはもはや理解不明

    どうせなら隣のジャングルにでも突っ込んでくれれば良かったのに。

    何よりも明日の本番に備えて早めに寝ていた所を起こされた事が一番腹立たしかったが、コムスメンは騒音位で起きるタイプでは無いのがまだ救いだった。

    旦那は寝室に入っては来たものの、私の怒りを察知したのかそそくさとクッションを枕代わりに床で寝始めたので、私も寝直す事にした。

     

    が、、パシャン・パシャンと部屋の中で魚が水を跳ねる様な音が聞こえた気もした。

    魚は飼ってはいない。

     

    NUSADUAビーチで作成しました。

     

    そこから今度は妙な声でウーーウーーーとうなりだしたが、助けない事に決めていた。

    その後、ウオーーーーー…という叫び声に変わったので、それに負けない位の声で、

    「うるさいわーー何時や思てんねん‼」と叫び返した。

    そのうちに、インドネシア語で何か訳の分からない事を喋り始めたので、ふと熱帯熱(悪性)マラリアを患った日の旦那を思い出したが、助けない事に決めていた。

    また…旦那のマラリア奮闘記+ノーベル賞を受賞したマラリア漢方薬。

     

    よく分からない独り言の締めくくりにTidak Bisa---!! と大声で叫んだ後静かになったので、私もトイレに行って寝直そうと思い、ベッドから降りたその時…

    私の足が”パシャン”という音と共に水溜まりの中に浸かっていた。

    ぞっとっした…小さい頃、寝たまま鼻血を出してしまい、枕一面が真っ赤に染まっていたあの時位にぞっとした。

    部屋の逆コーナーで寝ていた旦那の”寝ゲ○”というやつが、何と逆コーナーの私の真横まで流れて来ているとは、、

    どんだけ部屋傾いてるねん‼

     

    とりあえずトイレを済ませてから、見たくなかった旦那を視界の隅に入れてみると、全裸で横向きになってうずくまっている旦那の口から液体がパシャン・パシャンと小さな音を立てながら流れているでは無いか‼

    けれど一週間ほど前まで、吐きつわり上級者だった私はピンときていた。

    胃の内容物を全て吐いただけでは部屋一面が液状化するわけが無い。

    これは膀胱からの液体だと分かった瞬間に、また怒りがフツフツと込み上げてきたが、ハレ舞台の前日に余計な気力体力を消耗したく無かったので、そのまま寝る事に集中した。

    が…一度正体が分かってしまうと気になって仕方が無い、相変わらずのパシャン・パシャン…。

     

    結局、寝たのか寝てないのかよく分からないまま朝を迎えると、深夜のパシャン・パシャンは本格的な嘔吐に代わっていた。

    オエェェーウエェェェーと、寝たまま1分間に5回位のペースで吐き始めた。

    コムスメンはまだ何事も無かったかの様に横で寝ているので、「うるさいから吐くなら外で吐いて来てよ!!」と言ったら、私の言葉を理解出来たのか、泥の様に部屋の外へと這い出して行ったので、まだ死ぬレベルでは無いなと思った。

    そしてコムスメンが起き出し、部屋の異常事態に気が付いたと同時に旦那をありえない場所で発見した。

    外で吐けとは言ったけれど、家の外とまでは言っていない。

    …まさか公共の場で全裸のまま吐いているのかと思い念のため確認したが、何故か下だけは長パンツに履き替えて、家の門の前で倒れていた。

     

     

    その前をバイクがブーーンブーーンと何台も通り過ぎていくけれど、みんな横目で見るものの、誰一人声をかけたり助けたりはしようとしない、またしても異様な光景を見てしまった。

    お節介で親切な人が多いインドネシアでは、道路で人が困っていればすぐに人だかりが出来たりする。

    私もバイクでエンジンがかからなくて立ち往生しているだけでも、よほどの田舎道で無い限りは、だいたい3分以内に人が助けてくれる。

    それが当たり前だと思っていたから、道路で人が倒れているというこの異常事態に誰も声をかけないというのがかなり意外だった。

    だが、私も助けない事に決めていた。

     

    とりあえず、旦那を玄関前に寝かせたまま、卒園式の準備を終えてコムスメンと出掛けようとしたその時、それまで玄関で倒れていた人とは思え無い程の勢いで旦那が飛び起きて家の中に入ってきた。

    「ヤバイ、飛行機の出発まであと15分しか無いし、何で起こしてくれへんねん‼」

    と我の事を棚にあげて言い始めたが、ドレスにも着替えて久々のメイクをした直後だったので、怒りを抑えて”無視”する事に決めた。

    コムスメンだけが「パパ、大丈夫??」と一応気遣っていたのが唯一の救いだったと思う。

    空港まで15分かかるのだから、チェックインその他を入れると確実に間に合わないのに、最後の望みをかけたのか旦那は物凄い勢いで家を飛び出していった。

    前日から用意していたカバンは置き去りのまま、壊れていない方のバイクとサーフボードだけが無くなっていた。

    サーフラックも無しでバイパスを空港まで暴走している旦那を想像したら本当に間抜けだなと思い、またしても結婚した事を深く反省した。

     

    そんな一日の始まりだったけれど、コムスメンの卒園式は無事終えることが出来た。

    会場は思い出のつまった校舎では無く、何の思い入れもない近場のホテルだったり…

    日本の卒園式みたいに親も子も涙する場面も特に無く、終始ダンス三昧だったり…

    (放課後のエキストラクラスというやつに参加させると、3時間の保育時間延長という”おいしい条件”につられ)ほぼ全てのクラスに参加していた娘は今回もやたらと出番があり

    クラスのダンス→インドダンス→バレエ→ヒップホップ…

    と4ステージの合間に親たちは着替えを手伝う為、ほぼ舞台裏にいたり…

    相変わらずツッコミどころ満載で、持参したハンカチも全く出番無しでしたが、皆にしばらく帰国の挨拶も出来たし、良い一日になって良かった。

     

     

    やっと落ち着いた帰り道、肩の荷もおり、お腹もいっぱいで良い気分で運転していた所、ふと思い出したのが、寝室に出来た水たまり…。

    再び嫌ーーな気分になって家に到着し部屋を開けると、何と綺麗に片付いていた。

    結局飛行機に乗れなかった旦那が家に戻り片付けたのだそうだ。

    あの後旦那は空港でサーフボードを抱えたまま意識を失ったそうで、数時間後に気が付いた時には外は真っ暗になり、新たな水溜りを空港の出入り口の床に作っていたらしい。

    場所を変えてもやはり誰も助けてはくれないまま、今度こそ本気で死ぬかと思ったのだそう。

     

    恐らく今回旦那が死にかけた原因は、素人の作ったアラック(地酒)にメチルアルコールが残っていたのでは無いかという事だった。今後は「いつも買うちゃんとした素人が作ったアラックしか飲まない」と宣言した人は、人生の最期をどんな形で迎えるのだろうか…とふと思った。

     

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